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戦後の児童画 米に現存 歌や合奏 広島の学校描写 美術館が来春公開 作者情報募る

 戦後間もない時期に、広島市内の小学生が描き、1953年に米ニューメキシコ州のサンタフェ市に送られた絵が来春、約60年ぶりに米国で一般公開される。作品とともに当時の広島での生活などを紹介したいと、展示する米メーン州のボウディン大美術館が、作者を捜している。(二井理江)

 作品は44点。当時、サンタフェ市に住み、同市と広島市の子どもたちによる絵を通じた交流を企画した日本人画家タモツ・チュウゾウさんのめいバーバラ・ガーニックさん(ボストン在住)が保管していた。今回の展示は、ガーニックさんの夫マークさん(同)が、同大の卒業生だったことなどがきっかけで実現に向けて動きだした。

 作品は、学芸会と思われる様子を描いたものが中心で、歌や合奏、劇の絵が多い。「ふしぎななしのき」「おんしらず」など演目を書いたものもある。そのほか、バスや船、木などの風景画もある。

 それぞれの作品には、見えにくいものもあるが、ローマ字で学校名や学年、名前が書いてある。舟入や江波、本川など16の小学校が名を連ねている。

 同美術館のアン・グッドイヤー副理事は「当時の子どもたちの学校生活や学芸会の詳細などに興味をそそられる。どんな小さなことでもいいので情報が欲しい」としている。

 米オレゴン州に住むアーティスト川野幸代さん(41)が広島に帰省するのに当たり、作者捜しの依頼を受けた。

 作者の学校名や片仮名表記の名前は、ヒロシマ平和メディアセンターのウェブサイト(http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=59088)に掲載する。連絡先は同センターTel082(236)2801(平日午前10時~午後6時)。

(2016年5月16日朝刊掲載)

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