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枕崎の慰霊碑訪問 呉の大和調査船 荒天恐れで寄港

 広島県呉市が派遣している戦艦大和の潜水調査船「新日丸」(697トン)は16日、東シナ海が荒れる恐れがあったため沈没地点をいったん離れ、鹿児島県枕崎市の枕崎港に寄港した。同市にある大和の慰霊碑を、調査船の乗員6人が訪れた。

 慰霊碑は火之神公園内の、東シナ海を見渡せる小高い丘の上にある。大和を描いた銅板が埋められている。枕崎商工会議所が1995年、戦後50年の節目に寄付を募って建立。大和を含む第2艦隊の沈没した4月7日には、全国から乗員や遺族たち約200人が訪れる。

 調査船に船員として乗り組んでいる、呉市の戦艦大和会の花戸忠明副会長(76)が、慰霊碑に酒と菓子を手向け、手を合わせて深く頭を下げた。花戸さんは「戦争の悲惨さを伝える大和の姿を調査で明らかにしたい」と誓っていた。天候が回復すれば、17日から調査を再開する。(今井裕希)

(2016年5月17日朝刊掲載)

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