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遺構の現地保存要望 原爆資料館敷地から出土 広島県原水禁

 広島県原水禁は17日、広島市中区の原爆資料館本館敷地から出土した被爆前の町並みの遺構について、現地で保存し公開するよう市へ要望した。

 前市長の秋葉忠利代表委員たち4人が市役所を訪れ、市民局の谷本睦志局長に松井一実市長宛ての要望書を手渡した。金子哲夫代表委員は「当時を想像できる遺構を現状のまま保存し、資料館と一体で展示できれば被爆の実態が一層伝わる」と強調。4月に値上げした資料館入館料の増収分を事業の財源に充てるよう提言した。

 市は資料館の耐震工事に伴い昨年11月、本館直下の敷地全域と外周の計約2200平方メートルの発掘調査を開始。民家の敷石や焼け焦げたしゃもじなどが出てきた。資料価値の高い出土品や遺構の一部は切り取って資料館に保存する。免震工事を施すため、それ以外の遺構は記録して取り壊す方針。

 市の考えを聞いた金子代表委員は、さらに調査範囲の拡大や保存方法の見直しを提案。谷本局長は「どんな対応ができるか検討したい」と応じた。(渡辺裕明)

(2016年5月18日朝刊掲載)

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