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世界の核被害者 連帯 韓国・陜川の平和大会閉幕

 【陜川(ハプチョン)郡(韓国)田中美千子】韓国慶尚南道陜川郡で開かれた非核・平和大会で24日、広島、長崎の被爆者をはじめ、世界の核被害者が体験を証言した。大会は「核のない社会へ向かう国際的な連帯」をうたう宣言を採択し、2日間の日程を終えた。

 証言大会は陜川郡文化芸術会館であった。広島からは被爆者の細川浩史さん(84)=広島市中区=が登壇。原爆投下直後の惨状や妹を亡くした悲しみを語り「原爆は人の命だけでなく、心をも焼き尽くした」と訴えた。

 戦後、広島から帰国した陜川や台湾の被爆者、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の被害者たちも証言。福島第1原発事故の被災者として参加した武藤類子さん(58)=福島県三春町=は「政府が情報を隠し、多くの人が放射能汚染にさらされた」と批判した。

 広島の中高生3人を含む高校生1万人署名活動実行委員会のメンバーも来場。署名を通して核兵器廃絶を訴える活動を壇上からアピールした。日本など国外からの参加者は、陜川の被爆者が暮らす福祉施設や被爆2世の家庭を訪れるプログラムにも参加した。

(2012年3月25日朝刊掲載)

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