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平和博物館の役割探る国際会議開幕 10日は広島でシンポ

■記者 桑島美帆

 「平和博物館」の果たすべき役割について国内外の関係者が意見交換する「第6回国際平和博物館会議」が6日、京都市の立命館大で始まった。アジアやアフリカ、欧米の31カ国・地域から、平和博物館関係者や学者ら約160人が参加した。10日まで。

 初日の公開講演会では、英国ブラッドフォード大名誉客員講師ピーター・ヴァン・デン・デュンゲン博士(平和学)と野中広務元官房長官が講演。学生や市民らを含む約600人が聴講した。

 1992年に同会議開催を呼び掛けたヴァン・デン・デュンゲン博士は「平和博物館は世界で確実に増えている。軍縮や非暴力による紛争解決を訴える役割は大きい」と強調。国際ネットワークの強化も呼び掛けた。野中氏は中国を五度訪れた経験などを交え「若い世代が地球規模で平和を考えられる展示の工夫が重要だ」と述べた。

 会期中、立命館大と京都造形芸大で「過去の克服と和解の空間としての平和博物館」などをテーマにした講演会や分科会を実施。10日は広島市に会場を移し、中区の原爆資料館で、秋葉忠利市長の記念講演や被爆者の体験を聞く。シンポジウム「核兵器廃絶のために我々に何ができるか」(いずれも無料)もある。

(2008年10月7日朝刊掲載)

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