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米先遣隊が平和公園視察 当日4600人態勢で警備 オバマ氏5・27ヒロシマへ

 オバマ米大統領の広島訪問まで20日であと1週間。現職の米大統領を初めて迎える被爆地の緊張は日増しに高まる。19日には米政府の先遣隊が広島市中区の平和記念公園を視察。当日の行程決定へ、詰めの作業に入ったとみられる。広島県警は、近年で最大規模の4600人態勢で警戒警備に当たる方針を発表した。世界が注目する27日の訪問に向け、日米の関係者が準備を急ぐ。

 米政府関係者ら約40人は、午前から公園内を精力的に巡った。外務省や市の担当者が同行。原爆慰霊碑の前では、平和学習のため訪れた子どもたちや外国人旅行者でごった返す中、位置関係や動線を確認するようなしぐさを見せた。

 広島国際会議場では、担当者の案内で約1500人収容のホールや大小の会議室の内部をチェック。原爆資料館にも入った。4月に市内であった外相会合でケリー米国務長官が予定外の訪問をした原爆ドーム周辺にも足を運んだ。

 一方、当日の警備態勢は外相会合を約300人上回る。広島県警からは会合経験者を中心に2700人を充て、11都府県警から1900人の応援を得る。

 宮園司史本部長は19日の記者会見で「妨害やテロ、大規模な抗議行動などがあれば訪問の成果が損なわれるだけでなく、広島の街のイメージも大きく傷つけられる。県警の力量が問われる最重要課題であり、完璧な上にも完璧な警備で臨む」と強調。県民に対し、公園周辺の交通規制に理解を求めた。

 第6管区海上保安本部も19日、西村典明本部長をトップとした海上警護本部を設置した。妨害行為やテロを狙った船がデルタ地帯にある公園周辺に近づかないよう、巡視艇やヘリで河口などを警備する。当日の態勢は千人以上としている。

 西村本部長は「外相会合での経験も生かし、より高いレベルで警護に当たる」とのコメントを出した。(長久豪佑、門戸隆彦、井上貴博)

(2016年5月20日朝刊掲載)

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