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被爆前後を再現 広島城周辺CG 福山工高生 7月の完成目指す

 福山市野上町の福山工業高の生徒が、被爆前後の広島城周辺(広島市中区)をコンピューターグラフィックス(CG)で再現しようと取り組んでいる。被爆者の証言や航空写真を基に約7分の映像にまとめる計画。7月の完成を目指す。

 計算技術研究部の2、3年生7人が顧問の長谷川勝志教諭(50)の指導を受け制作している。広島城や城内にあった大本営、被爆による「広島壊滅」の一報を送ったとされる中国軍管区司令部の内部を再現する。

 原爆投下前に米軍の航空機から撮影された写真やポストカードを参考にする。現在は建物の静止画を作っている。今後、人の動きや服装など細部まで表現し、6月には当時司令部に学徒動員されていた被爆者の証言を聞く予定。被爆前の城周辺の資料や情報の提供も求めている。

 部長の3年坂本海月さん(17)は「証言者が少なくなっている今だからこそ行動し、次世代に伝わる作品にしたい」と意気込む。

 同校はこれまでにも、被爆直後の御幸橋(中区)付近の様子を再現したCGなどを作っている。(高本友子)

(2016年5月20日朝刊掲載)

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