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原爆ドーム普段の姿に 耐震工事の足場撤去

 世界遺産の原爆ドーム(広島市中区)で20日、北側外壁沿いを覆っていた耐震補強工事のための足場が取り払われた。27日のオバマ米大統領の訪問を前に、あの日の惨禍を伝えるドームの外観が元に戻った。

 外壁側の作業を終えた市の委託業者が足場(高さ約14メートル)を解体し、落下防止用シートを外した。内壁側の工事は続いており、7月末までに完了するという。

 市は昨年12月から耐震補強工事に着手。震度6弱で崩壊する危険がある3カ所のうち、南側1カ所は3月末で完了した。オバマ氏の広島市での日程は明らかになっていないが、米政府の先遣隊は19日、ドーム周辺を視察している。

 付近を清掃していた被爆者の石見洋二さん(70)=佐伯区=は「ドームは被爆者の声を世界へ象徴する存在。大統領には間近で眺めてもらい、その訴えを感じてほしい」と願った。(和多正憲)

(2016年5月21日朝刊掲載)

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