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オバマ氏5・27ヒロシマへ 警戒警備に民間協力 

タクシー乗り入れ自粛/遊覧船欠航… 平和公園周辺 広島県警、交通規制へ

 オバマ米大統領の広島訪問を27日に控え、広島市中区の平和記念公園と周辺の警戒警備に民間などが協力する動きが広がっている。当日はタクシー業界は公園周辺への乗り入れを自粛。原爆ドームそばを発着する遊覧船は午後の便を欠航する。学校は修学旅行の訪問先を変更するなど、歴史的な訪問に向けた準備が進む。

 関係者によると、オバマ氏が広島入りするのは27日夕方とみられる。市は4月の外相会合でケリー米国務長官が予定外に立ち寄った原爆ドームを加えた公園周辺で立ち入りを一時、制限する予定。規制エリアは外相会合の時より広くなるという。

 県警はオバマ氏が訪問する時間帯に合わせ、市中心部で大規模な交通規制を計画する。市民の帰宅ラッシュと重なる可能性もあるとみて、乗り入れの自粛を幹線道路の電光掲示板などに示している。

 県タクシー協会は加盟228社に午後の公園周辺への乗り入れ自粛を要請。「歴史的な訪問。できることで協力したい」と槙田繁専務理事は話す。県個人タクシー協会は市内の会員935人に同様の要請をした。

 公園周辺の河川も警備対象となる中、原爆ドーム前と宮島を結ぶ遊覧船「ひろしまリバークルーズ」は午後の6便が欠航する。運航するアクアネットサービス(中区)は「外相会合では通常通り運航したが、市の要請もあり欠航を決めた」。公園周辺では臨時休業を決めた飲食店もある。

 県警は、近年で最大規模となる4600人態勢で警備に当たる。人混みを狙ったテロなどの危険もある中、混雑がなければ不審者などが紛れ込みにくくなるという効果も期待される。

 原爆資料館によると、当日は小中高校の修学旅行を中心に少なくとも国内外の18団体が公園を訪れ、被爆証言を聞く予定だった。20日現在、17団体が日程を変えたり、キャンセルしたりした。当日、資料館は開館日だが「対応は検討中」としている。(滝尾明日香、川村正治)

(2016年5月21日朝刊掲載)

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