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竹島での戦前の漁伝える 島根県 隠岐の島住民メモ発見

 島根県は20日、日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島(トクト))で戦前、漁をしていた同県隠岐の島町の住民が、記憶を基に漁獲などの実態を記したメモが見つかったと発表した。

 県によると、同町久見地区の漁師八幡伊三郎さん(1894~1988年)のメモ。36~38年の間、計4回の漁を「ランコ(漁師たちによる竹島の当時の呼び名)行キ」と題し記した。縦11・5センチ、横17・8センチの紙の表裏で、77年ごろ書いたとみられる。

 1日の漁で「百貫(375キロ)近ク」のアワビや「七尺モ八尺モ(210~240センチ)」の大きなワカメが採れたと記述。島周辺が豊かな漁場だったことが改めて確認できる。

 同町が4月、八幡さんの家族から2014年に寄贈された資料に挟まれているのを見つけた。県は「隠岐の漁民が竹島で、どのように漁業権を行使していたかが分かる重要な資料」としている。(松島岳人)

(2016年5月21日朝刊掲載)

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