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「広島から もっと発信」 平和研次期所長が抱負

 広島市立大広島平和研究所(中区)の次期所長に決まった上智大外国語学部の吉川元(きっかわ・げん)教授(60)=国際関係論=が27日、市役所で記者会見した。「国際平和の構築と人間の安全をどう守るかを追求し、平和研をその研究の中心地にしたい」と抱負を語った。

 吉川氏は安佐北区出身。「世界では被爆地の言葉は重みがあり、広島からもっと発信すべきことがある。広島に帰り、研究の集大成に取り組むことはうれしい」と述べた。

 研究の方向性について「アジアの核兵器」を主要テーマとするとした。核兵器の保有や開発疑惑について各国の国内情勢を分析し、非核化につなげるという。世界から平和に関する研究者が集まる会議の開催や、幅広い年代が学べる場をつくることに意欲を示した。

 吉川氏は2013年4月に就任し、12年度は市立大客員教授として講義する。このため浅井基文前所長が10年度末に退任後、トップ不在の状態が2年間続くことになる。会見に同席した浅田尚紀学長は「研究員もそろい、実績を積み重ねている」として影響は少ないとの考えを示した。(城戸収)

(2012年3月28日朝刊掲載)

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