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オバマ氏27日広島訪問 「被爆者と面会を」書簡 オリバー・ストーン監督ら海外74人 謝罪せぬ方針も再考訴え 

 米国の映画監督オリバー・ストーン氏や言語学者ノーム・チョムスキー氏をはじめ、欧米などの文化人や平和運動家たち74人が、広島訪問を控えたオバマ米大統領に宛て、被爆者との面会を促す書簡を連名で送った。広島訪問で原爆投下について謝罪しない方針に対しても再考を求めている。

 書簡は「被爆者の苦しみや、同じ体験を誰にもさせまいとする取り組みを学ぶことは、核廃絶への決意を強固なものにさせる」とし、参加できる全ての被爆者と会うよう要請。謝罪にも原爆投下の是非にも踏み込まないとの姿勢についても再考するよう訴えている。

 オバマ氏が「核兵器なき世界」を掲げた2009年のプラハ演説については「世界中に希望を抱かせた」と評価した上、残りの任期中に「大きな指導力を発揮できる」と指摘。核兵器の維持、改良に今後30年間で1兆ドル(約109兆円)かかるとも試算されるオバマ政権の計画の中止やロシアとの核軍縮交渉の活性化も迫っている。

 書簡には、原爆投下は旧ソ連へのけん制が主目的だったとする著作で論争を呼んだ米歴史家ガー・アルペロビッツ氏、核兵器廃絶に向けた活動で知られるアメリカン大のピーター・カズニック教授も名を連ねた。(田中美千子)

(2016年5月25日朝刊掲載)

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