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願いつなぐ 妻が千羽鶴 訪問求め続けた故高橋元原爆資料館長 「オバマ氏に届けて」 

 オバマ米大統領の広島訪問を前に、広島市西区の高橋史絵さん(79)が、日米それぞれの国旗の色であしらった千羽鶴を作った。夫は原爆資料館(中区)元館長で、被爆者の昭博さん(2011年に80歳で死去)。オバマ氏に訪問を求めながら見届けられなかった夫の思いを込めた。同様の折り鶴のレイ(首輪)とともにオバマ氏らに届けてもらうよう近く市に託す。

 米国分は星条旗をイメージした青赤白3色、日本分は赤白2色の折り紙をそれぞれ使った。4月に市内であった外相会合でも、史絵さんは市の依頼で各国外相に贈るレイを制作。今回は要請はないが「頼まれてからでは間に合わない」と作り始めたという。

 昭博さんは09~10年に計4回、「核兵器なき世界」を掲げるオバマ氏に期待感を示し、「訪問は歴史的和解になる」などとつづった書簡を送って訪問を呼び掛けた。「生きていたらどんなに喜んだか。会いたかったでしょうね」と史絵さん。

 オバマ氏が被爆地で発するメッセージにも注目する。「ただ訪問するだけでなく核兵器廃絶を誓ってほしい。それが主人の願いでしたから」と期待した。(長久豪佑)

(2016年5月25日朝刊掲載)

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