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折り鶴アート 復興の翼に 広経大生、東北に寄贈へ 高齢者交え宮島描く

 広島経済大(広島市安佐南区)の学生が平和記念公園(中区)の原爆供養塔などにささげられた折り鶴を貼り合わせ、東日本大震災の被災地に贈るモザイクアートを作っている。世界の人々の支えで原爆禍から復興した広島から、感謝と励ましを届ける。28日は地元のデイサービスよりしまに通うお年寄りとも作業した。(石井雄一)

 モザイクアートは2枚で、それぞれ縦72・8センチ、横103センチ。1枚につき折り鶴約2500羽を貼り、宮島の大鳥居とモミジ、漁業再興の願いを込めた船などを描く。

 この日は、同大の「広げよう!!平和折り鶴プロジェクト」のメンバー5人が大学近くのデイサービス施設を訪問。お年寄り8人と模造紙に赤や青などの折り鶴を貼った。参加した被爆者の中井和夫さん(80)は「つらい体験を持つ者として、東北の人に元気を出してほしい」と願う。

 学生が企画。大学そばの地域包括支援センターの紹介でデイサービス施設にも参加を呼び掛けた。市内のNPO法人の仲介で原爆供養塔にささげられた折り鶴に加え、広島赤十字・原爆病院(中区)の患者が折ったり、全国から送られてきたりしたものを譲り受けた。

 作品は近く仕上げる。同大の別の学生が2月にボランティア活動をした福島県いわき市の保育園と宮城県気仙沼市大島の仮設住宅に送る。リーダーで同大2年の末益英樹さん(20)は「震災から1年余りたった今も応援している気持ちを伝えたい」と力を込める。

(2012年3月29日朝刊掲載)

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