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復興の花カンナ 被災地で大輪を 小中生栽培 球根を熊本へ 広島

 原爆投下直後の焦土に咲いたカンナに復興の願いを託し、広島市内の小中学生たちが育てた球根が熊本地震の被災地に贈られる。平和を願い、栽培を全国で広めている東京都のマナー講師橘凛保(りほ)さん(58)が呼び掛け、夏に真っ赤な大輪を開く花を届ける。

 橘さんは23日から、栽培する市内の小中学校と特別支援学校の計9校で球根を集めている。被害が深刻だった熊本県益城町(ましきまち)や西原村へ運び、現地で活動するボランティア団体の協力で被災者に配る。

 栽培活動に共感して長野県須坂市が作ったキャラクター「かんなちゃん」の着ぐるみと西区の己斐小を24日に訪問。栽培に取り組む4年生約100人に「広島育ちの球根と一緒にみんなの思いを熊本へリレーします」と語り掛けた。同小は球根10個を託した。益永珀君(9)は「焼け野原でも咲いた強い花で、熊本の人たちに勇気を届けたい」と願いを込めた。

 被爆1カ月後に広島市内で咲いたカンナの写真を原爆資料館(中区)で見て感動したという橘さん。2008年から全国の学校などを巡って球根を譲り、平和の尊さを伝える。県内では広島、廿日市両市の約30校が栽培する。

 27日に熊本入りする橘さんは「被災地の子どもが笑顔になれるよう願って届けたい」と意気込んでいた。(奥田美奈子)

(2016年5月26日朝刊掲載)

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