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広島 最大の警備態勢 平和公園一帯に緊迫感 オバマ氏広島訪問

 オバマ氏が訪れた広島市では過去最大の警備態勢が敷かれた。広島県警は、平和記念公園と周辺の警備や交通規制に11都府県警からの応援を含む約4600人を動員。至る所に警察官が立ち歩き、一帯は緊迫感に包まれた。一部道路で交通混雑はあったが、大きなトラブルはなかった。

 正午前、公園内では警察官が拡声器などで観光客たちに退去を求め、全ての入り口をバスやバリケードで閉鎖。オバマ氏の専用車両などが通った中区の吉島通り沿いではビルに立ち入り、不審者が潜んでいないか確認した。不特定多数が集まるJR広島駅(南区)や本通り商店街(中区)にも警察官を配置し警戒に当たった。

 オバマ氏を一目見ようと、公園周辺や沿道には約5千人(県警発表)の市民が詰め掛けた。県警は、公園南側の平和大通りに大型バス十数台で「壁」をつくり、テロ行為などに備えた。視界を遮られた形の市民からは「厳重な警備はやむを得ない」と理解する声が上がる一方、「せっかくの機会なのに」と残念がる人もいた。

 検問は公園から半径数キロ内の幹線道路など100カ所以上で行い、公園方向へ向かう車を1台ずつ停車させ、行き先や車内の荷物を確認する箇所もあった。県警によると、市中心部の5カ所で渋滞が発生し、最長約2キロに及んだ。

 また、市中心部を走る路面電車は一部で部分運休した。一部の路線バスも運転を見合わせた。(門戸隆彦、菊本孟、土井和樹)

(2016年5月28日朝刊掲載)

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