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追悼の思い共有 広島・長崎の若者参列 オバマ氏広島訪問

 核兵器の悲惨さを訴える活動を続ける広島、長崎両県の若者たち20人も参列席から演説を聞いた。核兵器廃絶への期待の半面、明確な道筋が示されなかったことを残念がる声もあった。

 広島女学院高3年の並川桃夏さん(17)=広島市佐伯区=は「被爆者の長年の苦しみを感じてほしい」との気持ちを込め、オバマ氏に献花の花輪を手渡した。原爆慰霊碑を真っすぐ見詰める姿に「追悼の思いが伝わってきた」と振り返った。

 「被爆者と抱擁する姿を見て涙が出そうだった」と盈進高2年の作原愛理さん(17)=府中市。広島市中区の吉島中3年吉原怜央さん(14)も「被爆者と握手し、歯を見せて笑っていたオバマさんが印象的」と受け止め、「あの笑顔が核兵器廃絶につながってほしい」と願った。

 長崎市の江平中3年で被爆3世の森内暖安(のあ)さん(14)は会場を後にするオバマ氏と握手。争いをなくす必要性を説いた演説に共感し、「うれしくて心強かった」。長崎大3年の秀総一郎さん(21)は「理念ばかりで核兵器廃絶への具体的なアクションがなかった。期待していたのに残念」とし、「長崎も訪れて、もう一度じっくりと被爆の実相に触れてほしい」と訴えた。(新山京子、桜井邦彦、宮野史康)

(2016年5月28日朝刊掲載)

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