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交通規制 配達に影響 オバマ氏広島訪問 GS・書店は特需

 オバマ米大統領が広島市を訪れた27日、市内の企業にも食料品の配達サービスの休止など、交通規制に伴う影響が広がった。百貨店が屋上の開放を取りやめるなど、テロを警戒した自主的な動きもあった。一方、ガソリンスタンド(GS)では警備車両の利用が目立ち、書店でオバマ氏に関する本が注目を集めるなど「特需」もあった。(村上和生、河野揚)

 この日、スーパーやドラッグストアで顧客が買った商品の宅配サービスを担うブラウニー(広島市南区)は、中区中心部のスーパー2店の業務を休止した。「食料品が中心なので、鮮度に配慮した」という。営業した店舗の一部でも、配達までに通常の3時間を超えるケースが出た。

 小柴クリーニング(呉市)は通常通り営業するため、配送車両を増やして対応。しかし同日午後は、平和記念公園に近い中町店(中区)に仕上げた衣類を届けられないケースがあった。小柴繁美社長は「市内全域での遅れを心配していた。影響を最小限に抑えることはできた」と話した。

 市中心部の店舗では、百貨店のそごう広島店(同)が、日中の屋上開放を取りやめた。「原爆ドーム方面を見渡せる」ことが理由。商業ビルのパルコ広島店(同)は26、27の両日、店内のコインロッカーの使用を止めた。

 一方、市中心部のGSは、パトロールする警察車両の来店が相次ぎ、ガソリンの販売が急増した。ある石油販売会社は「他県からの応援車両も来ていた。警備を一生懸命支えた」と語った。

 書籍販売の広文館(同)は今月中旬から、関連書籍の取り扱いを強化。金座街本店(同)では、オバマ氏の自伝やこれまでの歩みを紹介した本など7種を並べ、中高年を中心に注目を集めている。

 石川響子アシスタントマネージャーは「大統領を身近に感じるきっかけになった人が多いのでは」とみる。当面の間、コーナー展開を続ける考えだ。

 「歓迎 オバマ大統領」と掲げて賀茂鶴酒造(東広島市)の日本酒を売り場に並べたのは、百貨店の福屋八丁堀本店(中区)。2014年4月に大統領が来日した際に飲んだことで話題になった商品が20日以降、普段より5割ほど多く売れている。土産に買い求める外国人観光客の姿も目立つという。

(2016年5月28日朝刊掲載)

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