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「機運醸成を」松井市長/「継承へ努力」湯崎知事 オバマ氏演説 広島訪問

 広島県の湯崎英彦知事と広島市の松井一実市長、長崎市の田上富久市長は27日、オバマ米大統領の平和記念公園訪問に同行後、報道陣の取材に応じた。3人は、オバマ氏が原爆慰霊碑の前で述べた演説を評価。「核兵器なき世界」「恒久平和」に期待感を示した。

 松井市長はオバマ氏の演説について「被爆者の、こんな思いを誰にもさせてはならないという、核兵器廃絶への切なる願いを受け止めた表現だった」と語った。核保有国の大統領が被爆地でメッセージを発したことで世界の指導者の訪問が増えることを期待した。

 県や長崎市などと日米両政府に要請した被爆者とオバマ氏との対面も実現した。短時間だが原爆資料館の見学もかなった。「被爆者の声にしっかりと耳を傾けられていた。核兵器のない世界への決意を強固にされたのではないか」と強調した。

 歴史的な訪問を経て「平和首長会議の広島、長崎両市が手を携え、加盟都市を増やし、廃絶への機運を醸成したい」と決意した。

 一方、湯崎知事は「演説には、核兵器廃絶はもちろん、戦争そのものをなくさないといけないという大きなメッセージが込められていた」との認識を示した。

 今後、広島が果たす役割についても言及。「被爆の実態を伝える努力を続ける。アジアでの非核化について具体的に何ができるか考えていきたい」と力を込めた。

 松井市長と一緒に記者会見した田上市長は「広島、長崎を一つと捉え、強い思いを持って被爆地を訪問してもらった。プラハ演説で核兵器廃絶へのゴールを、広島での演説でスタートを示された」と話した。(渡辺裕明、中川雅晴)

(2016年5月28日朝刊掲載)

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