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谷本清平和賞  元原爆資料館長の高橋昭博さんが受賞

■記者 森田裕美

 財団法人ヒロシマ・ピース・センター(鶴衛理事長)は9日、第20回の「谷本清平和賞」に、元原爆資料館長で被爆者の高橋昭博さん(77)=広島市西区=を選んだと発表した。11月9日に中区で贈呈式がある。

 高橋さんは爆心地から1.4キロの旧制広島市立中の校庭で被爆。1951年に市職員となり、79年から4年間、原爆資料館長を務めた。核被害の実情を国内外に発信し、9月2日に広島市であった主要国(G8)下院議長会議(議長サミット)に参加したペロシ米下院議長らにも、被爆体験を証言した。

 鶴理事長は「半世紀にわたり病身をおして被爆の実相を伝えている。若い世代に継承されることを願い、選んだ」と説明。高橋さんは「恐縮の至りだ。命ある限り、被爆者として体験を伝え続ける使命を果たしたい」と喜んでいた。

 同賞は、広島流川教会の牧師として米国に被爆の実情を伝える活動などに尽力した故谷本清氏の遺志を継ぎ、87年に創設。平和のために活動する個人や団体に贈っている。

(2008年10月10日朝刊掲載)

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