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オバマ氏効果 入館倍増 原爆資料館 土・日両日6000人超す 

「核なき世界へ」高まる機運

 オバマ米大統領の広島訪問後、初の土日曜となった28、29の両日、原爆資料館(広島市中区)の入館者は計1万3389人となり、前年同時期の土日曜と比べ倍増した。同館はオバマ氏の来館効果とみており、「核兵器廃絶に向けた世論の高まりにつながってほしい」と期待する。(長久豪佑、益田里穂)

 同館によると、28日の入館者は6673人、29日は6716人。昨年5月の最後の土曜(30日)は3077人、日曜(31日)は3532人で計6609人だった。土日曜は修学旅行生の来館が比較的少なく、1日で6千人超が訪れるのは「かなり多い」(同館啓発課)という。

 2日間の外国人入館者数も昨年の1437人から、ことしは2869人とほぼ倍増。4月1日から5月29日までの入館者数も、被爆70年の昨年を6・5%(1万8290人)上回り、29万9044人となった。

 資料館は30日も外国人旅行客や修学旅行生で混雑。オバマ氏が27日の来館時に関心を示したという、被爆10年後に白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子さんの折り鶴の展示の前で足を止める入館者が目立った。安佐南区の主婦竹林めぐみさん(33)は「オバマさんの訪問を機にゆっくり見たくなった」と話した。

 オバマ氏は資料館を訪れた際、立ち会った子ども2人に自ら作ったという折り鶴各1羽を手渡した。芳名録に「共に、平和を広め核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょう」と記し、もう2羽を置いた。4羽の折り鶴はいずれも資料館が保管している。

 資料館には、オバマ氏の折り鶴の展示や芳名録閲覧の有無に関する問い合わせが相次いでいる。同館は米政府や日本の外務省の意向を踏まえ、公開するかどうか判断する。

(2016年5月31日朝刊掲載)

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