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再編交付金5年で14億円 大竹市07~11年度 教育や防災に充当

 米海兵隊岩国基地(岩国市)への空母艦載機移転の見返りとして国から大竹市に支払われた再編交付金が5年間で14億円になった。市は学校関連を中心に防災や道路整備に充当。子どもの通院費を補助する「にこにここども基金」など6基金も創設した。一方で、騒音増などの影響は見通せていない。(古市雅之)

 交付は2007年度からで、市は、18年度まで総額40億円を見込む。艦載機移転の進捗(しんちょく)に合わせ、初年度は1億2300万円、08~14年度は各3億3千万円の支給を予定する。

 入山欣郎市長は「子どもたちのために使う」として、大竹小建て替えや小方小中学校のプール建設など学校関連に3億3千万円を投入。教育環境充実基金として1億1900万円を積み、パソコン整備などに活用した。残る玖波小の耐震対応で教育関係は一段落する。

 また、消防機材の充実や防犯カメラ、街灯整備など安心・安全対策7200万円▽道路整備1億5800万円▽中浜ポンプ場整備など「その他」に1億6千万円―を充てた。

 6基金は総額7億2400万円。教育関係以外では阿多田島診療所の運営2億1千万円▽妊産婦健診を補助する健やか安心基金1億5100万円▽公共交通の運営助成1億200万円―など。

 14年までに完了とされる艦載機移転では騒音増などが予想され、基地周辺2市2町への交付金はその見返り。実際の影響は不透明だが、入山市長は「全国民に代わって迷惑を我慢する」と強調。「今後も地域活性化や子育て支援に知恵を絞り、貴重な財源を活用したい」としている。

<2007~11年度に大竹市に交付された米軍再編交付金の使途>(単位千円)

       2007年度  2008年度 2009年度 2010年度 2011年度  合計
学校関連   ―      81,502    29,013   78,704    141,300   330,519
安心・安全 53,924     9,400     8,761    ―       ―      72,085
道路整備   ―      99,645    39,000   20,000      ―      158,645
その他     ―       ―     142,513    ―       17,600   160,113
基金     70,000    139,938   111,198   231,781    171,585   724,502
        123,924   330,485   330,485   330,485    330,485  1,445,864

(2012年4月5日朝刊掲載)

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