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北東アジア非核化 首相「環境整っていない」 参院予算委

 野田佳彦首相は5日の参院予算委員会で、民主党が前回の衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げた北東アジアの「非核兵器地帯化」について、「現実的環境が整っていない」と述べ、北朝鮮の核問題の解決が優先課題との認識を示した。

 野田首相は非核地帯創設が核不拡散に有効とした上で「北東アジアの安全保障環境改善のため、まず北朝鮮の核放棄実現へ努力したい」と表明した。これに対し、質問した公明党の浜田昌良氏は「環境にない、というのは官僚のいつもの答弁。原稿を読んでは駄目だ」と指摘し本気度に疑問符を投げ掛けた。

 一方、4年前に民主党の議連会長として非核地帯条約案をまとめた岡田克也副総理は、首相と同様の認識を示しつつ「北朝鮮に核を諦めさせる手段として活用するのは可能だ」と述べた。

 また、野田首相は、先月の核安全保障サミットでのスピーチで核兵器廃絶を訴えなかった点を指摘され、「核軍縮決議案を毎年国連に出しており、意欲がないということではない」と釈明した。(岡田浩平)

(2012年4月6日朝刊掲載)

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