×

ニュース

オバマ氏折り鶴公開へ 来週にも資料館 広島訪問で残した4羽

 オバマ米大統領が広島訪問時に残した折り鶴が、早ければ来週にも原爆資料館(広島市中区)で展示される。オバマ氏から折り鶴を託された広島の子ども2人は「オバマさんが折り鶴に込めた平和への思いをみんなで感じて」と公開を待ちわびている。

 折り鶴を受け取ったのは平和記念公園での訪問行事に招待された被爆3世の吉島中3年花岡佐妃さん(14)=中区=と中島小6年矢野将惇君(11)=同。オバマ氏が残した折り鶴は芳名録に添えられたもう2羽を加えて計4羽あり、資料館は設置場所などを詰めている。広島市は、オバマ氏と2人の当日の様子の写真も掲示できないか外務省と調整している。

 花岡さんは当日、白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子さんが回復を願って折った鶴の展示のそばでオバマ氏を待ち、見学する姿を目の前で見守った。

 「眉毛を寄せて禎子さんの折り鶴を真剣に見た後、気さくな笑顔で『初めまして』と英語で声を掛けられて」と振り返る。握手後、ピンクの折り鶴を手渡された。「勉強を頑張って」との言葉に「サンキュー」と答えたという。

 父方の祖父は被爆者、祖母は原爆で父親と姉を亡くした。祖父母から聞いた体験を基に学校で平和メッセージを書き、今回の参加者に選ばれた。

 青い柄の折り鶴を受け取った矢野君は、翌28日に学校でオバマ氏との交流を発表。被爆者の祖母にも電話で伝えた。「おばあちゃんは『平和への第一歩になるね』と喜んでいた。原爆についてもっと勉強したい」と意気込む。

 2人に託された折り鶴は、行事終了後に市が回収した。市平和推進課は「関心も高く、できるだけ早く展示したい」としている。(水川恭輔)

(2016年6月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ