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旧被服支廠 活用考えて

元動員学徒ら ウオーク初開催 広島

 旧陸軍被服支廠(ししょう)(広島市南区)で被爆し、建物の保存・活用を求める元動員学徒たちの呼び掛けで、平和記念公園(中区)から旧被服支廠まで歩く「ピースウオーク」が5月4日に初めて開かれる。被服支廠は原爆投下後、臨時救護所となり、大勢の被爆者が命を落とした。

 平和大通り沿いの慰霊碑を巡りながら、旧被服支廠に向かう約2時間半のコース。企画したのは、当時、広島高師(現広島大)付属中4年の中西巌さん(82)=呉市。そこで動員学徒として被爆し、重傷者の手当ても手伝った。活用につながるよう、「多くの人の墓標でもある建物を広く知ってほしい」と願う。

 NPO法人HPS国際ボランティア(西区)の内藤達郎さん(70)=佐伯区=と、ヒロシマピースボランティアの多賀俊介さん(62)=西区=が協力。案内役を買って出た。

 旧被服支廠には臨時の祭壇を設け、ウオーク参加者で献花。原爆の犠牲者を慰霊する。

 申し込みは不要。当日午前9時に平和記念公園内の広島国際会議場の南側に集合する。内藤さんTel090(6408)1528。(増田咲子)

旧陸軍被服支廠(ししょう)
 爆心地の南東約2・7キロの南区出汐に、鉄筋3階建てで外壁がれんがの倉庫が4棟、L字形に並ぶ。1913年に完成。爆風で湾曲した鉄扉が残る。戦後は、運送会社の倉庫や広島大の学生寮として使われた。4棟とも広島県が管理しているが、活用策は決まっていない。

(2012年4月10日朝刊掲載)

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