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安保法「違憲」 9月提訴 広島の被爆者 原告団100人以上目標

 集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法は憲法違反だとして、広島県内の被爆者たちが安保法成立から1年になる9月、同法に基づく自衛隊の出動差し止めなどを求めて広島地裁に提訴する方針を固めたことが6日、分かった。少なくとも100人を超える原告団の結成を目指す。

 弁護士たちでつくる「安保法制違憲訴訟の会」(東京)が呼び掛け、全国各地で起こす集団訴訟の一環。これまでに東京や福島などで起きている。

 広島弁護士会の有志でつくる弁護団によると、既に被爆者を含む十数人の市民が原告に決まっている。近く被爆者や自衛隊員、その家族たちを幅広く募り、7月末をめどに原告団を固める。同法が成立した9月19日前後の提訴を予定する。

 弁護団は、安保法は戦争放棄や交戦権を否認した憲法9条に明らかに違反し、憲法改正の手続きをとらず立憲主義を否定しているなどと主張する方針。自衛隊の出動差し止めの請求と合わせ、自衛隊の出動が現実化すると戦争やテロに巻き込まれる恐怖を日常的に感じるとし、平和的生存権の侵害に対する賠償も国に求める予定。

 弁護団の山田延広弁護士は「集団的自衛権の行使容認に伴い、日本は再び戦争ができる国に変容する。原爆被害を受けた広島がだまっているわけにはいかない」としている。(胡子洋)

(2016年6月7日朝刊掲載)

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