×

ニュース

日本原電に協力依頼 島根1号機廃炉で中電

 中国電力が島根原発1号機(松江市)の廃炉作業について、原発専業の日本原子力発電(東京)に協力を依頼したことが分かった。先行して廃炉を進める日本原電の東海原発(茨城県東海村)の経験を生かす。除染や解体では島根県の地元業者への幅広い発注を検討する。

 日本原電は2001年、東海原発で商業用として初の廃炉作業を始め、既にロボットなどを使って設備を解体している。中電は東海原発の知見を活用するため日本原電に技術的な支援を求め、どの程度取り入れられるかを検討している。

 島根1号機は中電にとっては初の廃炉となるため、廃炉原発を持つ他社との協力を進めていく考えだ。4月には関西電力、四国電力、九州電力の3社と協定を結び、廃炉作業の効率化でも連携を予定する。

 除染や解体作業では、地元の建設業者に優先して発注する方向で地元自治体と協議する方針。放射線の管理区域での業務は特別な技術が必要になるため、大手メーカーが多くの業務を担うが、地元業者も参入できるよう人材育成の支援などを検討する。

 中電は4月、島根1号機の具体的な廃炉工程を示す「廃止措置計画」を発表。島根県と松江市の了解が得られれば、近く国に計画を提出する。計画では382億円をかけ約30年間で設備を解体する。(河野揚)

(2016年6月9日朝刊掲載)

年別アーカイブ