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陸奥犠牲者に平和の祈り 山口県周防大島沖で73年前沈没 遺族ら乗組員1121人悼む 山口

 太平洋戦争中に山口県周防大島町沖で沈没した旧海軍の戦艦陸奥の犠牲者を悼む慰霊祭が8日、同町伊保田の陸奥記念公園であった。遺族や住民たち約90人が参列し、亡くなった乗組員1121人の冥福と平和への祈りをささげた。(久行大輝)

 東和陸奥顕彰会(会長・椎木巧町長)の主催。沈没海域を望む慰霊碑前で、黙とうに続き、三好輝彦艦長の孫、鈴木真理さん(63)=東京都世田谷区=たちが焼香し、手を合わせた。

 元乗組員で、生存者で唯一参列した篠原喜一さん(93)=長野県小海町=は焼香後、海軍の歌「海ゆかば」を独唱。篠原さんは「仲間にささげた。ただ平和だけを願っている」と話していた。

 遺族を代表して大野小郎副艦長の長男、忠彦さん(86)=大阪府高槻市=が「遺族も子や孫の代となった。いつまでも覚えて慰霊祭を開いていただき、感謝している」とあいさつした。

 旧海軍を代表する戦艦だった陸奥は、1943年6月8日、伊保田沖約3キロで、原因不明の爆発により沈没。乗員約1470人の多くが亡くなった。63年に慰霊碑が建てられ、犠牲者を毎年追悼している。

(2016年6月9日朝刊掲載)

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