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核実験監視時計 最長730日を記録 北朝鮮核実験から2年

■記者 森田裕美

 原爆資料館東館(広島市中区)に2001年8月から設置されている「地球平和監視時計」が表示する、最後の核実験からの日数が最長記録を更新し続けている。8日現在で「730」。北朝鮮による地下核実験の実施から9日で2年。核をめぐる国際情勢が不透明な中、被爆地の関係者はできる限りの継続を願っている。

 原爆投下からの日数と、最後の核実験からの日数を示す監視時計は、特定非営利活動法人(NPO法人)「広島からの『地球平和監視』を考える会」が原爆資料館に寄贈した。核実験のたびに館長たちがリセット。これまで、米国による臨界前核実験の強行などを受けて計11回、「0」に戻った。

 従来の日数が1番多かったのは639日だったが、既に今年7月に超えた。2年前の核実験でリセットボタンを押した前田耕一郎館長は米国とインドの原子力協力協定の発効の動きなどを憂慮。「今後もリセットすることがないよう被爆の実情を愚直に訴え続けたい」と強調した。

 時計設置に向けた募金活動を展開した同会の土井克彦事務局長(69)=広島市佐伯区=は「無言で訴える時計から核実験の無意味さを感じ取ってほしい」と願っている。

≪監視時計設置後の核実験≫

▽2001年
  9月27日 米国の臨界前核実験
 12月14日 同
▽02年
  2月15日 米国・英国の臨界前核実験
   6月8日 米国の臨界前核実験
  8月30日 同
  9月27日 同
▽03年
  9月20日 同
▽04年
  5月26日 同
   ?    ロシアの臨界前核実験(複数回)
▽06年
  2月24日 米国・英国の臨界前核実験
  8月31日 米国の臨界前核実験
  10月9日 北朝鮮の地下核実験

(2008年10月9日朝刊掲載)

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