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朝鮮学校の70年伝える 広島市東区の初中高級 12日記念行事

 創立70周年を迎えた広島朝鮮初中高級学校(広島市東区)は12日、学校の歴史や朝鮮文化の魅力を伝える記念行事を同校で開く。

 午前10時から記念行事があり、歴代校長や学校の支援者があいさつする。同11時からの芸術公演では、戦後間もなく全国各地に生まれた朝鮮人の民族教育の場の閉鎖を日本政府が指示した1948年を舞台とする舞踊劇を生徒が披露。学習の場を守ろうとした在日朝鮮人の奮闘を演じる。

 小中高校生と幼稚園児計約200人による合唱や民族楽器の演奏、学校の歴史を紹介する写真展がある。保護者や卒業生によるチヂミやキムチなど民族料理の屋台も並ぶ。

 在日朝鮮人が資金を出し合い45年12月に大竹市で開いた「国語講習所」を母体に、同校は46年4月に創立した。北朝鮮による拉致問題や核実験の影響で、県や市町が相次いで同校への補助金交付を見送るなど厳しい現状もある。

 生徒会長の高級部3年曺太一(チョ・テイル)さん(17)=呉市=は「生き方を学ぶ大切な場を守る私たちの存在を多くの人に知ってほしい」と張り切る。同校Tel082(261)0028。(久保友美恵)

(2016年6月10日朝刊掲載)

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