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遺品が語る被爆者の「生」 広島の原爆資料館東館で企画展

 原爆資料館(広島市中区)東館で、収蔵資料の企画展「いのちの証」が開かれている。若い女性から幼子まで原爆に奪われた4人の「生」を、あの日身に着けていた衣類や資料を通じて伝える。11月30日まで。無料。

 新川場町(現中区)の勤め先で被爆し、12日後に亡くなった藤沢節子さん=当時(23)=が着ていた紫のワンピースは今も鮮やか。持ち主の切ない死を一層訴える。建物疎開作業に動員されて被爆死した学徒2人の学生服やベルトもある。

 小谷公子さんの関連展示は死亡診断書。生後10カ月の時に西白島町(現中区)で被爆。10日後に亡くなったため遺影がなく、この資料が生きた証しになったという。

 企画を担当した学芸員の佐藤規代美さん(43)は「遺品から、犠牲者や遺族の無念を感じてほしい」と話す。(益田里穂)

(2016年6月11日朝刊掲載)

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