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放射線の危険性訴え 伊方原発訴訟 被爆者が意見陳述

 広島、長崎両県の被爆者たち67人が、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)1~3号機の運転差し止めを求めた訴訟の第1回口頭弁論が13日、広島地裁であった。四国電力は原告の訴えを退けるよう求めた。

 同原発は広島市の南側約100キロにある。原告は訴状で、同原発が南海トラフ巨大地震の震源域にあり、地震や津波の被害が強く懸念されると強調。「過酷事故が起きる可能性は高く、大量の放射性物質が外部に放出される。大気や海は汚染され、原告らの生命や身体に深刻な被害が発生する」などと指摘した。

 この日、4歳の時に西区で被爆した原告団の堀江壮団長(75)=佐伯区=が意見陳述し、「放射線の恐ろしさを経験した一人として、他の誰にも同じ目に遭ってほしくない」と訴えた。

 四国電力は答弁書で、福島第1原発事故や最新の科学的知見を踏まえた地震、津波対策を強調。「自然条件を適切に把握した上で対策を講じることで、伊方原発の安全は十分に確保されている」としている。

(2016年6月14日朝刊掲載)

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