×

ニュース

原爆文学シンポ 資料集に 保全の会、記憶遺産目指し刊行

 広島文学資料保全の会(土屋時子代表)は、原爆文学資料の世界記憶遺産登録を目指し、昨年6月に開いたシンポジウムの記録・資料集「未来への伝言」=写真=を刊行した。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の審査に向けた国内選考に漏れたものの、再申請に挑む直筆資料3点も紹介している。

 栗原貞子、峠三吉、原民喜の被爆3作家が書き残した資料の意義について、シンポに登壇した国内外の研究者の発言要旨や、取り組みへの賛同者の論考を収録。峠の「原爆詩集」最終草稿を補完する資料として追加申請を検討している、峠が被爆直後の惨状をつづった日記も載せている。

 同会と広島市は、2017年に予定される次回の国内公募へ準備を進めている。同会の池田正彦事務局長は「これまでの支援への感謝を込めるとともに、再申請に向けた出発点となる一冊。多くの市民に広めていけたら」と話している。

 500部発行。B5判、60ページ。500円(送料200円)。同会Tel082(291)7615。(石井雄一)

(2016年6月15日朝刊掲載)

年別アーカイブ