×

ニュース

謝罪要求方針を再確認 日本被団協 定期総会が開会

 8月に結成60年を迎える日本被団協の定期総会が15日、2日間の日程で東京都内で始まった。初日は、被団協がオバマ米大統領に宛てて広島訪問前に送った要望書で、被爆者への謝罪を求めなかったことが議論になった。田中熙巳(てるみ)事務局長は「謝罪を求める運動方針は変えていない」とあらためて強調した。

 地方組織の約90人が出席した。この1年の活動報告に続く討議で、参加者の1人が「謝罪を要望すればオバマ氏が来ないと、自主規制したのではないか」と問題提起。被団協が1984年に発表し、運動の根幹としてきた「原爆被害者の基本要求」で米政府に謝罪を求めている点を踏まえ「言行不一致だ」と訴えた。

 これに対し、田中事務局長は「原爆投下は犯罪兵器の使用。謝罪を求めるのは当然だ」と指摘。一方、基本要求が「謝罪の証し」として米政府へ核兵器廃絶を主導するよう迫っていることに触れ、「廃絶につながっていくなら訪問前に(謝罪の要望を)出さなくていい、との空気もあった」と述べた。会場からは理解を示す声が上がり、「米政府はまず廃絶の道筋を示すべきだ」との意見も出た。

 最終日の16日は、今後の運動方針や結成60年事業を決める。(田中美千子)

(2016年6月16日朝刊掲載)

年別アーカイブ