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オバマ氏演説 一節を大書 美鈴が丘高書道部 あすから文化祭 核廃絶の願い発信

 広島市佐伯区の美鈴が丘高の書道部が、オバマ米大統領の「ヒロシマ演説」の一節を大書した作品を完成させた。17、18両日の同高文化祭で展示し、世界平和と核兵器廃絶の願いを発信する。(長部剛)

 作品は障子6枚を組み合わせた縦約1・7メートル、横約5メートルのびょうぶ状。5月27日の広島訪問時、原爆慰霊碑(中区)前で約17分にわたったオバマ氏の演説から「米国と日本は戦争を通じて得られるものよりもずっと多くのものを国民にもたらす友情を築いた」「わたし達は人類という一つの家族の仲間である」との文章を選び、3年生5人が日英両語で書いた。部員はオバマ氏の広島訪問決定後、発言を文化祭の作品のテーマにしようと確認。題材にした文章は、全部員15人で決めた。

 墨汁には、宮島(廿日市市)の真言宗大聖院の不消霊火堂(きえずのれいかどう)から分けてもらった「消えずの火」のすすを混ぜた。火が、平和記念公園(中区)内にある「平和の灯(ともしび)」の種火の一つであることにちなんだ。

 校内での展示では、作品の裏から照明を当てて原爆ドームの影絵を浮かび上がらせる。1、2年生が「前進 未来へ一歩」などと書いた筒型のあんどんを周りに並べる。

 部長の3年田村和子さん(17)は「演説を読み、悲惨な戦争を経て今の平和や繁栄があるとあらためて認識した。作品に込めた思いを多くの人に感じてほしい」と話す。文化祭は17日は校内向け。一般向けは18日午前9時半~午後2時。

(2016年6月16日朝刊掲載)

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