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米は核廃絶へ行動を 日本被団協 定期総会で決議

 日本被団協は16日、東京都内での定期総会で、先月27日に広島市を訪れたオバマ米大統領が演説で原爆投下の責任に触れなかったなどとして、米政府に核兵器廃絶へ向けた行動を強く求める決議を採択した。核兵器を禁止し廃絶する条約の締結を求める国際署名の推進など、本年度の運動方針も決めて閉会した。

 決議は、原爆投下を「空から死が落ちてきた」と表現したオバマ氏が「筆舌に尽くしがたい惨事について米国の責任を回避した」と指摘。具体的な核軍縮策に触れなかったとの見方も示した。討議でオバマ氏の訪問を好意的に受け止める声もあったが、決議の内容に異論は出なかった。

 終了後の記者会見で、田中熙巳(てるみ)事務局長は、被爆資料の見学や被爆者との対話が不十分として、オバマ氏に被爆地再訪を求める意向を示した。

 このほか総会では、8月に迎える結成60年の記念事業を決めた。10月に都内で開く記念式典で核兵器廃絶に向けたアピール文を発表するほか、被爆2世の大規模な実態調査を実施する。調査は健康状態、継承活動の現状などを尋ね、来年6月をめどにまとめる。

 高齢化で会員が減り、資金繰りが危機的状況にあるとして、5年計画の活動維持募金に取り組むことも確認した。(田中美千子)

(2016年6月17日朝刊掲載)

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