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「原爆焼」24日公開 広島県歴博 所有者が寄贈

 福山市西町の広島県立歴史博物館は24日から、同市で5月に見つかった陶器「原爆焼」を公開する。この日、所有者の延時立志さん(84)=同市住吉町=から寄贈を受ける。7月3日まで展示する。無料。

 原爆焼は高さ約8センチ、直径約8センチの茶わん。第2次世界大戦後、同市神辺町の団体が、広島市の原爆の爆心地近くの土を混ぜて作った。中国新聞社の速記部長を務め、歌人だった山本康夫さんの短歌や「広島原爆中心地の土 原爆焼」などの言葉が刻まれている。

 同館1階に原爆焼と解説文を展示する。7月下旬から8月中旬にかけても公開する。その後の展示方法は今後、検討する。

 延時さんは、亡くなった知人宅を整理した際に原爆焼を見つけ、遺族の了承を得て譲り受けた。同封の文書には「子々孫々永久後世に伝える目的」などと制作の意図も記してある。同博物館の白井比佐雄学芸課長は「原爆の記憶を残そうとした人々の思いを感じ取ってほしい」と話す。(細田一歩)

(2016年6月18日朝刊掲載)

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