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海外要人の広島訪問増 15年度107件 06年度の4倍 

 広島市を訪れる海外の要人が増えている。被爆70年だった2015年度の訪問は107件。正式に集計を始めた06年度(26件)の4倍になった。16年度も4月の外相会合に続き、5月27日にオバマ米大統領の訪問が実現。被爆地広島への注目度が高まり、要人が被爆の実態に触れる動きの追い風になりそうだ。(渡辺裕明)

 市国際交流課が、元首級(大統領、首相)、国会議長、最高裁長官、大臣、大使、主な国際機関の長の公式訪問を対象に06年度から集計。大半が平和記念公園(中区)で原爆慰霊碑に献花したり、原爆資料館を見学したりしている。

 それによると、15年度の内訳は国会議長7件▽大臣13件▽大使80件▽国際機関の長7件。うち大使は、8月6日の平和記念式典の参列時が65件。12、13年の各40件を上回り過去最多だった。

 市では、松井一実市長が平和宣言で政治指導者の被爆地訪問を呼び掛けるなど国内外へアピールしてきた。政府も近年は国際会議の場で同様に訴えている。核兵器保有国の米英仏を含む7カ国と欧州連合(EU)が出席した外相会合で採択した「広島宣言」にも盛り込まれた。

 市国際交流課は「オバマ氏の訪問を受け、これから要人の訪問が増える可能性はある。核兵器廃絶には被爆の実態を感じてもらうのが大事だ」としている。

(2016年6月19日朝刊掲載)

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