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小中高生13人 戦跡たどる 子ども平和会議 事前学習会開始 広島

 全国の小中高校生が8月に広島市に集う「子ども平和会議」(広島県生協連など主催)に向け、広島県内の参加者が地元の戦争の歴史を学ぶ事前学習会が始まった。フィールドワークと座学の全4回を終えた後、本番で平和に向けたアピール文を発信する。

 小学4年から高校3年までが対象。平和記念公園(中区)を巡った初回は、広島市、福山市などから中国新聞ジュニアライターを含む13人が参加した。生協ひろしま碑めぐりガイドの会の平岡満子さん(74)=東区=の説明を聞きながら約2時間かけて、原爆ドームや、原爆の子の像、被爆アオギリ、原爆供養塔などを見学した。

 普段入れないレストハウス地下室にもヘルメットをかぶって入った。薄暗く湿気のあるこの部屋には原爆投下時、男性1人がいた。建物内で唯一生き残ったと平岡さんから聞き、あの日の惨状を想像していた。その後、近くの県生協連事務所に移り、学びを振り返った。

 参加した江波小6年柿林凜さん(11)=中区=は祖母が被爆者。「原爆が初めて落とされた広島の悲しい歴史を勉強して全国の人に伝えたい」と話していた。事前学習は7月も続け、似島(南区)などを訪れる。

 子ども平和会議は被爆70年の昨年初めて開催。好評だったため、ことしは全国の参加者を昨年の倍以上の約120人とした。8月5日に県立総合体育館(中区)に集い、班別に各地の戦災を報告、平和の実現に向けて話し合う。アピール文をまとめ、同日開かれる「ピースアクションinヒロシマ」で発表する。(山本祐司)

(2016年6月20日朝刊掲載)

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