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8・6平和宣言でオバマ演説引用 広島市長表明「被爆者の思いと一致」

 広島市の松井一実市長は21日、原爆の日の平和記念式典で読み上げる平和宣言について、オバマ米大統領の広島での演説を生かした内容にすると明らかにした。一部を引用し、被爆者の思いと結び付けて表現するという。

 市役所であった文案を検討する懇談会後、記者団の取材に答えた。松井市長は「大統領は演説で、無辜(むこ)の人を原爆は殺していると指摘している。それは『こんな思いを他の誰にもさせてはならない』という被爆者の思いと一致している。平和宣言で強調していいのでは」と述べた。

 懇談会は冒頭を除いて非公開で、広島県被団協の坪井直理事長たち全委員10人が出席。市がオバマ氏の演説を一部反映させた骨子案を示し、了承された。委員からは「演説は(核兵器廃絶への)具体的な道筋を示していない。次のステップが大事だと宣言で言うべきではないか」などの意見が出たという。

 宣言には10代で被爆した2人の証言も盛り込む。松井市長は「核兵器のない世界に向け、みんなで取り組むことが重要になるとの流れの中で書けないかと思っている」と話した。

 懇談会は4月に続き2回目。7月上旬に予定される次回の最終会合で、松井市長が文案を提示する。(渡辺裕明)

(2016年6月22日朝刊掲載)

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