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今年も被爆体験公募へ 平和宣言 広島市が選定委

 広島市は17日、8月6日の平和記念式典で松井一実市長が読み上げる平和宣言の内容を検討する被爆体験談選定委員会(10人)の初会合を市役所で開いた。昨年に続いて被爆者の体験談を公募し引用することを決めた。市は5月中旬、募集を始める予定でいる。

 協議は非公開。委員長の松井市長、日本被団協の坪井直代表委員、原爆資料館(中区)の前田耕一郎館長たち9人が出席した。

 市によると、公募した被爆者の声を宣言に反映することについて委員は「被爆体験の継承に重要」との認識で一致。新たな証言を掘り起こすため、未発表の体験談に限るなどの募集方針も確認した。松井市長は4年の任期を踏まえ「4回の宣言を通して物語性を持たせたい」との意向を示し、了承された。

 委員からは「宣言に福島第1原発事故の被災者支援の観点を」などの意見が出たという。終了後、松井市長は「時代背景を盛り込むためにも委員の意見を聞き、自分なりに整理する」と述べた。

 会合は今後、2回開かれる予定だ。次回、選定委が採用する体験談を選び、最終回に市が骨子案を提案する。

 松井市長は昨年、初めて平和宣言に公募した2人の体験談を盛り込んだ。公募には73人の応募があった。ことしは市長以外の選定委員9人のうち8人を再任。国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)の浅川伸二館長を新たに迎えた。(田中美千子)

(2012年4月18日朝刊掲載)

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