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岩国基地の滑走路運用 民間機時間に終了を 市議会決議 「午後10時」を変更

 岩国市議会は24日の本会議で、米海兵隊と海上自衛隊が共用する岩国基地の滑走路運用の終了時間(午後11時)を、午後10時半までの民間旅客機の利用時間に合わせて見直す決議案を賛成多数で可決した。これまでは、騒音軽減のため「午後10時」への短縮を求め決議もしていたが、事実上の取り下げとなる。

 滑走路運用時間(午前6時半~午後11時)は、基地や地元自治体でつくる岩国日米協議会の合意事項の一つ。強制力はないが、時間外に使う場合は市などに事前通告がある。

 決議案は全9会派中6会派が共同で提出。基地滑走路を使う岩国錦帯橋空港で3月に那覇線が就航し羽田線も増便したため、民間機の運用が午後10時半までとなった。このため基地側の運用時間も「民間機の発着に配慮した時間」とした上、夜間、早朝の騒音軽減などを求めている。

 市議会は2010年3月、運用時間を午後10時までに短縮するよう求める決議案を全会一致で可決していた。

 今回、提案理由を説明した市議は「基地側の運用で午後10時以降に飛行するケースはほとんどない」と指摘。討論では反対の市議が「空母艦載機移転計画もあり、さらに短縮を求めるべきなのに納得できない」と述べた。 採決の結果、賛成24人、反対7人だった。

 この日は決議案を含む9議案を原案通り可決し、定例会を閉会した。(野田華奈子)

(2016年6月25日朝刊掲載)

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