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原爆小頭症患者 支え合い「古希」 広島 きのこ会総会で祝う

 原爆小頭症の患者と家族、支援者たちでつくる「きのこ会」が25日、広島市東区で年に1度の総会を開いた。ことし70歳となった広島、廿日市、三次各市の患者9人を含む約50人が出席。古希を祝い、支え合っていくことを確かめた。

 冒頭、昨年7月に69歳で亡くなった男性の患者(東区)を悼んで黙とう。その後、患者9人が古希を記念して7本のろうそくを立てたケーキを囲んで火を吹き消した。患者の木村勇次さん(70)=中区=は趣味のギターで「赤とんぼ」の演奏を披露。「記念の日にみんなに聴いてもらえて、うれしい」と顔をほころばせた。出席者で「それ行けカープ」などを合唱した。

 祝い後は、患者やきょうだいが一人ずつ近況を報告。「足腰が衰えて作業所に自力で通えなくなって」「病院通いばかりです」など健康状態を心配する声が目立った。患者の兄がいる長岡義夫会長(67)=安佐南区=は閉会のあいさつで、「安らかな気持ちで、天寿を全うしてほしい。何かあったらすぐ駆け付けます」と、普段から連絡を取り合うよう呼び掛けた。

 小頭症患者は妊娠初期の母親の胎内で被爆し、生まれつき知的、身体障害がある。きのこ会は1965年に結成。会の患者は現在16人で、把握していた患者の親は最後の一人が2014年に亡くなった。きょうだいも老いる中、暮らしを支えるため、国に相談員制度の拡充などを要望している。(水川恭輔)

(2016年6月27日朝刊掲載)

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