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日米高校生が平和学ぶ オバマ氏訪問 意義継承 米国で9月に会議

 広島、長崎の両被爆地の高校生が米国に赴き、現地の若者と共に原爆や戦争の悲惨さを考える「日米高校生平和会議」が9月、ニューヨークとボストンで開かれる。デジタル技術を生かした平和教育に取り組む首都大学東京の渡邉英徳准教授が、オバマ米大統領の広島訪問を機に企画。米国の市民に核問題への関心を高めてもらう狙いがある。

 渡邉准教授は、被爆関連の証言動画や写真を立体地図上で紹介するウェブサイト「ヒロシマ・アーカイブ」を制作し、無料で公開している。計画では、サイト用の証言収録などを手伝っている広島市中区の広島女学院高、長崎市の活水高などから計10人前後を米国に派遣。米側からは1都市につき地元高校の約20人が参加し、サイトを使いながら被爆の実態を学ぶ。米国在住の被爆者の講話も聞く。

 渡邉准教授は4月から半年間の予定で、ハーバード大客員研究員としてボストンに滞在中。「米国では原爆投下が戦争終結を早めたとの認識が一般化されている」と指摘する。「オバマ氏の訪問は被爆地への関心を高めたが、すぐに忘れられかねない。核兵器廃絶の原動力にするためにも、人類と核の在り方を考える場を提供したい」として、会議は一般公開する予定だ。

 高校生の渡航費などに充てるため、ネット上で資金を募っている。目標金額は150万円。出資はhttps://www.makuake.com/project/nagasaki―hiroshima―archive/から申し込む。(田中美千子)

(2016年6月28日朝刊掲載)

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