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夏の節電要請見送り 中電・中国経産局 島根原発の停止後初

 中国電力と中国経済産業局は今夏、中国地方の企業や家庭への「節電要請」を見送る。東日本大震災をきっかけに、島根原発(松江市)が2012年1月、運転を停止して以降、初めて。節電が定着し、電力を安定供給できると判断した。

 中電と経産局は12年以降、毎年7月1日~9月末を節電期間に設定。オフィスや工場で電気の使用量が多い平日午前9時~午後8時の節電を要請してきた。

 両者は今夏、期間、時間とも設定しない。中電は需給見通しをホームページ(HP)で知らせる「でんき予報」の内容拡充や、節電要請のチラシの全戸配布を取りやめる。一方で省エネを呼び掛けるテレビCMやHPでの周知は続ける。

 中国経産局も「できる限りの節電」を求めていた自治体や企業への依頼文の内容を見直した。今回は「要請を見送る」とした上で「節電の心掛けのお願い」に変更した。

 中電によると、島根原発が再稼働せず、10年並みの猛暑でも、供給余力を示す予備率は8月に13・0%を確保でき、最低限必要な3%を大きく上回る見込みだ。(河野揚)

(2016年6月28日朝刊掲載)

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