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中電、原発再稼働に意欲 島根2号機 40年超えも 株主総会ピーク

 3月期決算を採用する中国地方の上場企業の株主総会が28日、ピークとなった。

 中国電力は広島市中区の本社で開いた株主総会で、4月の電力小売り全面自由化で経営環境が厳しくなる中、原発再稼働でコスト削減を目指す方針を強調した。島根原発2号機(松江市)を運転開始から40年を超えて稼働させる可能性にも言及した。

 昨年より10分長い3時間5分に及んだ総会は、原発の是非に質問が集中した。4千億円を超える島根原発の安全対策費について、森前茂彦常務は「(火力発電の)石油や天然ガスの燃料費の削減効果により、メリットがある」と説明した。

 原則40年と定められている原発の運転期間の質問もあり、運転開始から27年になる島根2号機について、森前常務は「40年を超える運転については今後検討して参ります」と述べた。

 電力小売り全面自由化について、清水希茂社長は「大きな変革の時代にある。中国地域や海外での収益基盤の確立に取り組む」と力を込めた。

 株主は昨年より29人少ない427人が出席した。終了後、福山市の女性(82)は「電力小売りの新規参入企業にどう対抗するのかを聞きたかったのに、内容が乏しかった」。安佐北区の男性(63)は「今後も電力を安定供給し、配当を続けてもらいたい」と話した。(河野揚、村上和生)

中電株主総会 質疑と回答

 中国電力の株主総会の質疑での役員の主な発言は次の通り。

【低レベル放射性廃棄物の虚偽記録問題】
 島根原発で点検記録の不適切な取り扱いが発覚した後、速やかに調査を進め、原子力規制庁や自治体、住民に説明してきた。極めて重く受け止めている。経営者が先頭に立ちコンプライアンス最優先で運営する。

【自治体との安全協定】
 島根原発の周辺自治体から繰り返し、立地自治体並みの安全協定締結の要請を受けている。引き続き真摯(しんし)に協議する。協定の有無に関わらず誠心誠意対応し、安全安心につながるよう努力する。

(2016年6月29日朝刊掲載)

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