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被爆体験 次代に継ぐ 伝承者5期生 研修始まる 広島市中区

 広島市が独自に養成している「被爆体験伝承者」の5期生47人の研修が28日、始まった。被爆者の体験や思いを受け止め、自らの言葉で伝えるため3年間の学習に臨む。早ければ2019年度、旅行者や子どもたちを対象に講話を始める。

 中区での初講義には約40人が参加。講師の市立大広島平和研究所の水本和実副所長は先月27日のオバマ米大統領の広島訪問に触れ、「核兵器廃絶への新たな一歩にしなければならない。(核の)危険性を具体的に訴えるのが大切だ」と説いた。

 5期生は8都県の10~70代の男女。平均年齢は48・4歳で、初めて50歳を下回った。原爆文学を研究する広島大大学院1年の加地由利香さん(22)=東広島市=は「どんな文学も胸打たれる証言を超えられないと思う。体験を次代に伝える力になりたい」と話した。

 自らの被爆体験を語る「被爆体験証言者」の研修生も講義に参加した。(長久豪佑)

(2016年6月29日朝刊掲載)

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