×

ニュース

平和学習「お届け」 原爆資料館 学校に講師

 原爆資料館(広島市中区)は20日、市内の小中高校へ平和学習の講師を派遣する本年度の出張講座を始めた。来年2月までに48校で開く。初日は安佐北区の狩小川(かこがわ)小で6年生33人が、被爆の実態や核兵器をめぐる世界の状況について学んだ。

 講師の木下りつ子さん(56)=南区=が、被爆直後の市街地の写真や被爆者が描いた絵の画像を交え、爆発の規模や放射線被害の影響を説明。「被爆者は、あの体験を誰にもさせたくないと望んでいる。原爆被害を知り、自分なりの意見を持って」と語り掛けた。

 児童は被爆瓦に触ったり熱心にメモを取ったりした。川島瑞稀さん(11)は「放射線被害の恐ろしさが分かった。平和を訴え続けられるよう学んでいきたい」と受け止めていた。

 出張講座がスタートした昨年度の派遣は20校。本年度は研修を受けた同館のヒロシマピースボランティアと国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の朗読ボランティアの計15人が講師を務める。(有岡英俊)

(2012年4月21日朝刊掲載)

年別アーカイブ