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原爆症認定 控訴断念を 原告団など 厚労省に申し入れ

 被爆者6人全員を原爆症と認め、国の却下処分を取り消した東京地裁判決を受け、原告団や日本被団協などは30日、厚生労働省を訪れ、控訴断念と認定制度の抜本的改正を申し入れた。

 原告団長の山本英典さん(83)=東京都杉並区=たち12人が担当者を訪ね、塩崎恭久厚労相宛ての声明を手渡した。声明は、今回の判決が「司法と行政の乖離(かいり)がいまだ埋められていないことを明確に示した」と指摘。「高齢の被爆者を裁判から解放すべきだ」とし、制度改正を訴えている。

 国の認定基準では対象外とされる慢性心不全を患い、今回の判決で原爆症と認められた山本さんは「体の弱った被爆者が原告となって争っている状況を一日でも早く解決してほしい」と訴えた。非公開の懇談で、同省の担当者は「要望は上層部に伝える」と応じたという。(田中美千子)

(2016年7月1日朝刊掲載)

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