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核兵器のない世界願う 岡山県原爆被爆者会 死没者慰霊祭に80人

 岡山県原爆被爆者会の原爆死没者慰霊祭が30日、岡山市北区の宿泊施設であった。被爆者や遺族たち約80人が参列し、犠牲者の冥福と核兵器のない世界の実現を願った。(加茂孝之)

 全員で黙とうした後、土屋圭示会長(88)が「水を求めて叫ぶ人たちの断末魔は今も忘れられない。後世の人たちが生き地獄を体験しなくてすむよう、核兵器の廃絶を切望してやみません」とあいさつ。続いて、被爆者や遺族たちが順番で祭壇に花を手向け、全員で「原爆を許すまじ」も合唱した。

 広島市段原町(現南区)の自宅で被爆した井原市の下江喜代さん(77)は「原爆で亡くなった父の分まで生きようと思って何とか今も元気で過ごせている。平和な世界が続くことを願い続ける」と話していた。

 県内では2015年度、被爆者健康手帳を持つ被爆者133人が亡くなり、今年3月末現在の手帳所持者は1635人。平均年齢は82・6歳となっている。

(2016年7月1日朝刊掲載)

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